著者: 樺沢紫苑タイトル: THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福

こんな人におすすめ
- 漠然と「幸せになりたい」と思っているけれど、何をすればいいか分からない方
- 仕事や頑張りすぎで心身のバランスを崩しかけている方
- 「成功」や「お金」だけが幸せではないと感じている方
- 本当の幸福を手に入れるための具体的な方法を知りたい方
- 頑張っても報われないと感じている方
この本を読もうと思った理由
誰もが「幸せになりたい」と願う一方で、具体的にどうすれば幸せになれるのか、その答えを持っている人はごくわずかではないでしょうか。
私もまた、そんな「幸せ迷子」の一人でした。頑張っているのに、どこか満たされない。
そんな漠然とした不安を抱える中で、精神科医である樺沢紫苑先生が書かれた『THE THREE HAPPINESS』というタイトルに強く惹かれました。
「精神科医が見つけた3つの幸福」という言葉は、まさに私が知りたかった「幸せの具体的な解」を提示してくれるのではないかと期待せずにはいられませんね。
幸福の正体:脳内物質が教えてくれる「幸せ」のメカニズム
樺沢先生は、2000年以上も議論されてきた「幸福とは何か」という問いに対し、精神科医かつ脳科学者としての視点から、非常にシンプルで実用的な答えを導き出しています。
私たちが「幸せ」を感じるとき、脳内ではドーパミン、セロトニン、オキシトシンといった100種類以上の幸福物質が分泌されていることを解説。
特に、日常的な幸福感に深く関わる「3大幸福物質」として、ドーパミン(お金、成功、達成の幸せ)、セロトニン(安らぎ、気分の安定の幸せ)、オキシトシン(愛、つながりの幸せ)の3つに注目し、これらが十分に分泌されている状態こそが「幸福」であると定義しています。

漠然とした「幸せ」が、具体的な「物質の分泌」という形で定義されることで、一気に現実味を帯びてきましたね。
「じゃあ、どうすればこれらの物質が出るの?」と、次への興味がグッと高まります。
これは、まさに「幸福の実用書」としての期待を裏切らない序章だと感じました。
幸福の三原色:3つの幸福物質が織りなす「私たちの幸せ」
先生は、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンの3つの幸福物質を「幸福の三原色」と例え、私たちが感じる幸福を「セロトニン的幸福(心身の健康)」「オキシトシン的幸福(つながりと愛)」「ドーパミン的幸福(お金、成功、達成)」の3つに分類できると説明しています。
私たちが普段「幸せ」だと感じるのは、このいずれか、または複数の幸福が満たされている状態であり、ジェットコースターに乗った時の興奮(アドレナリン)やマラソン時の高揚感(エンドルフィン)のような特殊な状況下での幸福とは異なると述べています。

「健康」「つながり」「お金や成功」という3つの視点で自分の幸せを分類できるのは非常に分かりやすいですね。
確かに、日々の生活で「幸せだな」と感じるのは、友人との他愛ない会話だったり、体が健康でいられることだったり、仕事で目標を達成した瞬間だったりしますもんね。
これまでの「漠然とした幸せ」が、具体的な3つの要素に分解されたことで、自分の幸せの「源」がどこにあるのかを考えるきっかけになりました。
幸福には優先順位がある!「幸せの三段重理論」で不幸を避ける
ここが本書の核心とも言える部分です。
先生は、3つの幸福には明確な「優先順位」があり、その順番を間違えると不幸になると警鐘を鳴らします。
その優先順位とは、「セロトニン的幸福(健康)→オキシトシン的幸福(つながり)→ドーパミン的幸福(お金、成功)」の順であると断言。
多くのメンタル疾患の患者さんを診てきた経験から、健康を犠牲にして仕事や成功を追い求める(ドーパミン的幸福を優先する)人が、心身の不調に陥る現実を指摘。
また、仕事に邁進しすぎて家族とのつながりを失うことで、成功しても幸せを感じられないケースがあることも示唆しています。
健康という土台がなければ、つながりも成功も意味をなさないという「幸せの三段重理論」を提唱しています。

この「優先順位」は冷静に考えると納得ですね。
「頑張れば成功できる」「お金があれば幸せになれる」と信じている人も多いのではないでしょうか?
これまで「ドーパミン的幸福」ばかりを追いかけていた自分を反省しましたね。
健康を犠牲にしてまで頑張ることは、長期的に見れば不幸への近道だったんだと、納得しました。
これは、現代社会で頑張りすぎている多くの人に響くメッセージだと思います。
「健康」こそ全ての基盤:セロトニン的幸福の重要性
先生は、健康(セロトニン的幸福)こそが、すべての幸福の基盤であると強調します。
たとえ仕事が順調で、家族に恵まれていても、健康を損なえば、その幸福は脆くも崩れ去ると述べています。
また、メンタル疾患になると、人とのコミュニケーション(オキシトシン的幸福)も困難になり、友人関係すらも失ってしまう可能性があると指摘。
つまり、健康がなければ、つながりも失われ、結果的にドーパミン的幸福も得られなくなるという負の連鎖を示しています。
だからこそ、まずセロトニン的幸福を盤石にすることが、その後のオキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福へと繋がる第一歩であると力説しています。

「健康が一番大切」という言葉は耳にタコができるほど聞いてきましたが、その具体的な理由と、他の幸福との関連性をここまで明確に示されたのは初めてです。
確かに、健康でなければ何も始まりません。
仕事も、家族との時間も、趣味も、すべては健康という土台の上にあるんだと改めて実感しました。
そうでしたのせ特に、メンタルが不調になると人間関係まで壊れてしまうという話は、身につまされる思いがしました。私自身も経験しましたので…
セロトニン的幸福を最優先する、この考え方は、今後の生き方を大きく変える道標になりそうです。
精神科医が「3つの幸福」理論を発見した背景:アメリカでの気づき
樺沢先生がこの「3つの幸福理論」の着想を得たのは、アメリカ・シカゴでの留学経験からでした。
アメリカ人が午後5時には帰宅し、家族との時間を最優先する働き方を目の当たりにしたことがきっかけだったと言います。
彼らは「自分を大切にし、家族を大切にし、その上で仕事を頑張る」というライフスタイルを送っており、これこそが「3つの幸福理論」の原点になったと語っています。
この気づきを単なる経験で終わらせず、日本に帰国後、自ら実践し、さらには「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとして、精力的に活動されていることが紹介されています。

樺沢先生の理論が、ご自身のリアルな経験から生まれたと知って、さらに親近感と説得力が増しました。
特に「自分を大切にし、家族を大切にし、その上で仕事を頑張る」というアメリカ人のワークスタイルは、今の日本にこそ必要な考え方だと強く感じます。
私もついつい仕事を優先しがちなので、この考え方を日々の生活に取り入れたいと思いました。
先生がこの理論を自ら実践し、結果を出されていることが、この本の信頼性をさらに高めていると感じました。
本日のまとめ
樺沢紫苑先生の『THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福』は、「幸せ」という漠然とした概念を、精神医学と脳科学に基づいた具体的な3つの要素と、それらを満たすための明確な優先順位で示してくれる画期的な一冊です。
- 幸福の正体は脳内物質の分泌であり、特にセロトニン(健康)、オキシトシン(つながり)、ドーパミン(お金・成功)の3つが重要です。
- この3つの幸福には明確な優先順位があり、正しい順番は「健康→つながり→お金・成功」です。これを「幸せの三段重理論」と呼びます。
- 何よりも健康(セロトニン的幸福)が全ての基盤であり、これを疎かにすると他の幸福も失われる可能性があります。
この本は、単なる精神論ではなく、私たちの日々の行動に落とし込める具体的なヒントが満載です。
「頑張りすぎは病気のもと」というメッセージは、特に真面目な日本人にとって、心に響くものがあるのではないでしょうか。
私もこの「幸せの三段重理論」を実践し、本当の幸せを手に入れるべく、今日から「健康」を最優先に生活を見直していこうと思いました。
このブログを読んで、あなたも「幸せ」について深く考えてみたくなったのではないでしょうか?
もし本書の内容に興味を持っていただけたら、ぜひ手に取って読んでみてください。きっと、あなたの人生をより豊かにするヒントが見つかるはずです。

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