PR

3日目【とにかく仕組み化】安藤広大が示す、人の上に立ち続けるための思考法

ビジネス・経済

著者: 安藤広大 タイトル: とにかく仕組み化

こんな人におすすめ

 * 組織を率いる立場にある経営者、中間管理職、チームリーダーの方

 * 将来リーダーを目指す若手社員やプレーヤーの方

 * 個人の努力に依存せず、持続的に成果を出せる組織を作りたいと考えている方

 * 「個の時代」と言われる現代社会で、組織における個人の役割に悩んでいる方

 * 仕事や日々の行動を効率化し、継続的な成長を望む方

仕事で「怖い人」と聞くと、あなたはどんな人を思い浮かべるでしょうか?
高圧的な態度をとる人、怒鳴りつける人、それとも常に不機嫌な人? もしかしたら、そうしたイメージが真っ先に頭に浮かぶかもしれません。

しかし、安藤広大さんの著書『とにかく仕組み化』の第2章では、私たちがこれまで抱いてきた「怖い人」の概念を根底から覆す、新たな視点が提示されています。
本当に「怖い人」とは、実はあなたの成長を促し、組織全体を強くする「本当の意味で優しい人」のことかもしれません。

今回は、この衝撃的な第2章「本当の意味での怖い人 – 『危機感』」のエッセンスを深掘りし、あなたの仕事に対する「危機感」の見方、そしてリーダーとして部下やチームに「正しい危機感」を与える方法について考えていきましょう。

「本当の怖い人」は「人格否定」をしない

仕事において「怖い人」とは、決して人格否定をしたり、感情的に怒鳴ったりする人ではありません。
本当の意味で怖い人とは、仕事で求められる基準が高く、中途半端な仕事は評価せず、的確なフィードバックで成長を促す人のことです。

彼らは、日常生活では優しくても、仕事になると明確な判断軸を持ち、一切の妥協を許しません。
言い訳は通用せず、ルールを守らなければ毅然と指摘します。

しかし、その厳しさには理不尽さがなく、部下は「理不尽ではない」と理解できるため、安心して仕事に集中でき、結果を出せば正しく評価されます。
これは、単に「厳しい」という表層的な話ではなく、「部下の成長を心から願う本当の優しさ」の表れなのです。

長時間の「説教」が組織をダメにする

多くの職場で当たり前のように行われている長時間の「説教」は、実は逆効果です。
説教された側は、反省するどころか「また怒られちゃったよ」と愚痴をこぼし、むしろ「相手にしてもらった」という安心感を得てしまいます。
怒られながらも言い訳を聞いてもらえることで、無意識のうちに「このままでもいい」と現状維持を肯定し、精神的な「安心」を得てしまうのです。
これは「属人化」によるマネジメントの悪い例であり、見せかけの「恐怖」の裏に「間違った優しさ」が隠れている状態です。
このような関係性では、部下の内面に「このままではまずい」という真の危機感が芽生えることはありません。

必要なのは「正しい恐怖」が生み出す「危機感」

組織の成長に必要なのは、「いつ怒り出すかわからない」といった不合理な恐怖政治ではありません。
本当に必要な「恐怖」とは、「このまま成長しないと、会社に居場所がなくなるかもしれない」というような、次に何を改善すればいいか明確な「危機感」です。

これは、決して精神的に追い詰めることではなく、目標未達が続けば相手にされなくなる、行動するしかない、といった状況で自然に芽生えるものです。
「書かれたこと」つまり、明文化された評価基準に基づいて指摘し、それ以外で厳しく指導しないことで、ルールに価値が生まれ、部下は正しい方向で努力し、成長へとつながります。

「距離感」と「制限時間」で危機感を醸成する

正しい危機感を生み出すためには、具体的な「仕組み」が必要です。

例えば、上司と部下の距離感」と「制限時間を意識的に設けることが有効です。
人間は、めったに会わない相手には緊張感を持ち、頻繁に会って馴れ親しむと緊張感が薄れます。
意識的に会う回数や話す時間を減らし(例:打ち合わせは週1回30分以内)、必要以上に部下の問題に介入しないことで、部下は自分で考え、結果を出すようになります。
一見ドライに見えるこの関係性は、実は「離れたところから温かく見守る」という「温かさ」に裏打ちされたもので、部下を自律させ、成長を促す「絶妙な緊張感」を生み出します。

「ゆるいブラック企業」の罠と「少し高めの目標」がもたらす成長

「過重労働」や「パワハラ」といった従来のブラック企業問題が改善される一方で、最近では「ゆるいブラック企業」という新たな問題が浮上しています。
これは、厳しいフィードバックがなく、与えられる仕事量が少なく、結果として若者が「成長する機会」を奪われている状況を指します。
どちらのブラック企業も共通して明文化されていない」「境界線が曖昧になっている」という点が問題です。
リーダーは、常に少し高めの目標を設定し、部下に「もう少し頑張れば達成できる」という絶妙な負荷を与え続けることで、成長へのモチベーションを維持させなければなりません。

成長に終わりはない:「いつか楽になる」という錯覚を捨てる

多くの人が「いつか楽になりたい」と考えますが、安藤氏はこれを「錯覚」だと断言します。
人間である限り、常に満たされることはなく、満足した瞬間に成長は止まるからです。
プロフェッショナルはどんな仕事でも「極めた」と思っても、常に次の景色が見え、上には上がいることを知っています。
仕事の解像度が高まるほど、新たな発見と壁に直面し続けるのが常です。
リーダーは、この「常に満たされない危機感」と向き合い、部下やメンバーを導く役割を担います。

読んでみた感想

『とにかく仕組み化』の第2章を読み、これまで私が「良い上司」だと思っていた像が、いかに曖昧で危険なものだったかを痛感しました。

特に、「長時間の説教が部下に安心感を与えてしまう」という指摘は、まさに耳が痛い内容でした。
良かれと思って部下の話を聞き、時間をかけることが、かえって彼らの成長を阻害し、甘えを生み出していた可能性に気づかされました。

「正しい恐怖」という概念も非常に衝撃的です。
感情的な怒りではなく、明確な基準に基づいた評価によって生まれる「このままではまずい」という危機感が、本当の成長の原動力になるという視点は、これからのマネジメントに不可欠だと感じました。
部下の主体性を引き出し、自ら考え行動させるためには、具体的な目標設定と、上司との適切な「距離感」「制限時間」が必要であると理解できました。
自分自身にも当てはまる事です、危機感感じます・・・

また、「ゆるいブラック企業」という言葉にも、現代の職場が抱える新たな課題が凝縮されていると感じました。
成長機会の剥奪は、労働時間以上に深刻な問題かもしれません。
リーダーとして、部下に「少し高めの目標」を設定し、適切な負荷を与えることの重要性を強く認識しました。

この章全体を通して、マネジメントにおける「優しさ」とは、単に甘やかすことではない、というメッセージが強く心に残りました。
「厳しさ」の裏にある「本質的な優しさ」を理解し、それを仕組みとして組織に落とし込むことこそが、リーダーの真の役割だと確信しました。

本日のまとめ

安藤広大さんの『とにかく仕組み化』第2章から、「危機感」の本質とその組織への活かし方を学びました。

  • 「本当の怖い人」は「成長を促す人」: 人格否定ではなく、高い基準と的確なフィードバックで部下の成長を引き出す人こそが、真の意味で「怖い」上司です。
  • 長時間の「説教」は逆効果: 部下に安心感を与え、現状維持を肯定させてしまうため、即刻やめるべきです。
  • 「正しい危機感」は行動を促す: 「このままではまずい」という明確な危機感が、部下を自律させ、成長へと導きます。そのためには、評価基準の明文化が不可欠です。
  • 「距離感」と「制限時間」で自律を促す: 上司と部下の間に適切な物理的・時間的距離を置くことで、部下は自ら考え、行動するようになります。
  • 「ゆるいブラック企業」の罠: 成長機会を奪われた若者の不安を解消するため、リーダーは「少し高めの目標」を設定し、適切な負荷を与え続ける必要があります。
  • 成長に終わりはない: 「いつか楽になる」という錯覚を捨て、常に新しい発見と向き合い、満たされない危機感と付き合い続けることが、プロフェッショナルとしての道です。

「危機感」は、組織と個人の成長に欠かせない燃料のようなものです。
この「正しい危機感」を組織に生み出す「仕組み」を構築することが、リーダーに求められる重要な役割なのですね。

▼本書の詳細・購入はこちら

タイトルとURLをコピーしました