著者: 安藤広大 タイトル: とにかく仕組み化
こんな人におすすめ
* 組織を率いる立場にある経営者、中間管理職、チームリーダーの方
* 将来リーダーを目指す若手社員やプレーヤーの方
* 個人の努力に依存せず、持続的に成果を出せる組織を作りたいと考えている方
* 「個の時代」と言われる現代社会で、組織における個人の役割に悩んでいる方
* 仕事や日々の行動を効率化し、継続的な成長を望む方
皆さん、こんにちは！ 日々の仕事に追われ、ふと「このままでいいのかな？」なんて立ち止まってしまうことはありませんか？
特に、会社という組織の中で「自分は替えの利かない存在なのか、それともただの歯車なのか…」と悩んだ経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
今回ご紹介するのは、そんな会社での働き方や人間関係に悩むあなたに、新たな視点を与えてくれる識学の考え方です。
今回は識学の書籍の終章「仕組み化」のない別世界をピックアップし、その本質を深掘りしていきます。
識学と聞くと、もしかしたら「感情を排除するドライな考え方？」なんてイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実はその奥底には、私たちがより豊かに生きるための優しいメッセージが隠されています。
この章では、「会社」と「プライベート」という2つのコミュニティを明確に切り分けることの重要性や、「歯車」として機能することの真の意味について語られています。
一見、冷たい言葉に聞こえるかもしれませんが、読み進めていくうちに、きっとあなたの心に響くものがあるはずです。
さあ、一緒に「仕組み化」された世界で、私たちがどう輝けるのかを探求していきましょう！
「人間に戻れる場所」を持つことの重要性
この章では、まず会社で「歯車として機能する」という考え方の奥底にある優しさについて述べられています。
会社は私たちに成長の機会と負荷を与え、上を目指すことを期待しますが、その一方で、「属人化」の存在を完全に否定しているわけではない、という意外な切り口から話が始まります。
ここを読んで、正直驚きました。
「識学＝属人化の徹底排除」というイメージがあったので、まさか属人化の存在を否定しないとは…
会社は成長を促す場でありながらも、個人の存在を完全に否定するわけではない、というバランス感覚に、識学の奥深さを感じましたね。
会社が「与えるもの」と「与えられないもの」
会社は仕事をするコミュニティであり、そこでは「企業理念を果たす」という明確な目的のために、私たちは役割を果たす「替えが利く存在」であると説明されています。
一方で、友達や家族、趣味といったプライベートなコミュニティでは、私たちが「替えの利かない存在」であることが重要視される、と筆者は指摘しています。
会社とプライベートでは求められる関係性が全く異なる、という点が強調されています。
この「会社が与えるものと与えられないもの」という区別は、まさに刺さる内容でした。
私自身、会社の中で人間関係に悩んだ時期があったのですが、それは「会社に友人関係のようなものを求めていたからではないか」とハッとさせられました。
会社はあくまで仕事の場。
そこで個人的な感情を満たそうとすると、確かにズレが生じてしまいますよね。
漫才コンビの例えも非常にわかりやすかったです。「友達」から「戦友」へ。
この視点を持つことで、仕事上の関係性をより健全に保てる気がしました。
2つのコミュニティは「混ぜるな危険」
最も重要な点として、「会社」と「プライベート」という2つのコミュニティを「混ぜてはいけない」と強く訴えられています。
「会社なのに家庭のように振る舞う」ことや、「家庭なのに会社のように振る舞う」といった公私混同が、あらゆる人間関係のトラブルや組織崩壊の原因になると警鐘を鳴らしています。
そして、精神的な安定のためには、会社とは別に「属人化が許された世界」、つまり自分の価値観でコントロールできるコミュニティを持つことの重要性が語られています。
特に日本社会では、会社を第二の家庭のように捉える風潮が少なからずあるように感じます。
しかし、それが結果的に多くの人を苦しめている、という指摘には深く頷かされましたね。
会社での評価と、プライベートでの自分の価値を混同してしまうと、本当に生きづらくなってしまいます。
オンオフの切り替えと同じように、コミュニティにおける考え方を切り替える「生存戦略」は、現代を生きる私たちにとって必須のスキルだと強く感じました。
「属人化」の犠牲者を生まないために
著者は、多くの企業で「仕組み化」が機能せず「属人化」が蔓延している現状に触れ、それによって多くの「犠牲者」が生まれていると述べます。
入社当初は輝いていた社員が、いつの間にか社内の人間関係に労力を奪われ、売上よりも社内で嫌われないことを優先するようになる。
結果として、他の業界や企業では何の役にも立たない「社内をうまく立ち回る能力」しか身につかない、という残酷な現実を突きつけます。
ここを読んだ時、まるで自分のことかのように感じて胸が締め付けられました。
会社に入った頃の熱い思いが、いつの間にか社内政治にすり替わってしまう…これは多くの人が経験することかもしれません。
そして、「何の役にも立たないスキル」しか残らない、という言葉は非常に重いです。
属人化の犠牲者にならないためにも、やはり「会社」と「個人」のコミュニティを明確に区別し、それぞれの場所で求められる役割を理解することが不可欠だと再認識しました。
「腕のいい釣り師」の話から読み解く人生の満足感
有名な「腕のいい釣り師」の話が引用され、この話の多様な解釈が提示されています。
一般的には、必死に働くことを否定する話として広まっていますが、著者は別の視点を示します。
会社として成功させることで雇用を生み、社会貢献ができること、人に技術を伝えることで他者の成長に貢献できることの意義を強調し、「いま遊んでいる人」と「あとで遊ぶ人」では人生の満足感が全く違うと問いかけます。
この釣り師の話、私も知っていましたが、識学の視点から語られると、その意味ががらりと変わりますね。
「いま遊ぶ」ことだけが幸福ではない、というメッセージは非常に深いです。自分の能力を使って社会に貢献し、他者の成長を支援する。
そのプロセスで得られる満足感は、確かに個人的な欲求を満たすだけでは得られない、より大きな喜びかもしれません。
「あとで遊ぶ人」の選択も、決して軽視できないなと強く感じました。
「ありのまま」という病の深さ
著者は、「ありのままでいたい」「欲望のままに生きたい」という現代社会に蔓延する考え方に疑問を呈します。
人間は社会を形成し、コミュニティを分けることで進化してきたと述べ、本能を制御し、社会に順応する能力が求められると説きます。
そして、「自分らしさ」や「何をやりたいか」というメッセージが行き過ぎた結果、「わかりやすい個性を持っていない人」が価値がないと見なされ、「生きる意味を見いだせない」といった悩みに繋がっている現状を批判しています。
「ありのままという病」という言葉に、ドキリとしました。
確かに、SNSなどを見ていると「自分らしく輝こう！」というメッセージをよく見かけます。
それがプレッシャーになり、「自分には個性がない…」と悩む人が増えている、という指摘は、現代社会の本質を突いているように感じました。
社会で機能し、役割を果たすこと。
それが何よりも意味のあることだ、という識学の考え方は、一見すると時代に逆行しているように見えても、実は多くの人の悩みを解決するヒントになるのかもしれません。
「かけがえのない歯車」になる、あなたへ
識学が提唱する「歯車として機能する人」になることの真意が語られます。
これは感情を否定するものではなく、感情を受け入れた上でどう振る舞い、どう演じるかが重要であると説明されます。
「機械」に情がわくお年寄りの話を通して、マニュアル通りに働き、ルールを守り、感情より理論を優先する姿勢であっても、相手には十分に「感情」が伝わり、組織の中で「かけがえのない歯車」になれると説いています。
「感情を捨てろとは一言も言わない」という言葉に、識学への誤解が解けました。
感情を持つことは人間として当然。
その上で、どう行動するか、という「振る舞い方」が重要だという考え方は、非常に実践的だと感じます。
ロボット掃除機の話も感動的でしたね。
合理的に機能する姿が、結果的に相手に「情」として伝わる…
これは、単なる効率主義ではない、識学の人間味あふれる一面を見た気がしました。
どうか「頼られる存在」になってください
最後に、人が社会で生きていく上で不可欠な「存在意義」について語られます。
誰かからの「存在意義」を感じることの重要性、そしてより多くの人に自分の「存在意義」を認めてもらうことが最大の喜びであると述べられています。
「腕のいい釣り師」の話を再び引用し、自分を満足させるだけでは人生は満たされない、承認欲求から逃れることはできないと強調しています。
社長も「かけがえのない歯車」であり、組織のトップである筆者自身もまた、組織を動かす重要な部品であると語り、読者に対して「あなたがいないと困る」と思われるような「重要な歯車」になることを目指してほしいと結びます。
「頼られる存在になってください」という結びの言葉は、非常に力強く、心に響きました。
私たちは誰もが、誰かに必要とされたい、という欲求を持っているもの。
識学の「歯車として機能する」という考え方は、決して個人の存在を軽視するものではなく、むしろ社会の中で自分の存在意義を最大限に発揮するための方法論なのだと理解できました。
目の前の仕事に集中し、会社とは別の「属人化の世界」も大切にする。
このバランスこそが、充実した人生を送るための秘訣なのかもしれません。
本日のまとめ
識学の終章「仕組み化」のない別世界を読み解いてきましたが、いかがでしたでしょうか？
私自身、当初抱いていた識学へのイメージが大きく変わり、非常に深い学びを得ることができました。
今回のブログで特に皆さんに伝えたいのは、以下の3つのポイントです。
- 会社は「仕事のコミュニティ」、プライベートは「人間性のコミュニティ」と明確に分けるべし！
→公私混同はトラブルの元であり、精神的負担を増やす原因になります。
それぞれのコミュニティで求められる役割や振る舞いを理解し、切り替えることが、心穏やかに生きるための「生存戦略」です。 - 「歯車」は決してネガティブな言葉ではない！
→識学で言う「**歯車**として機能する」ことは、個性を否定することではありません。むしろ、感情を受け入れた上で、自分の役割を全うすることで、周囲に「かけがえのない存在」だと認められることを意味します。
あなたの行動や成果が、結果として相手に感情として伝わり、信頼と感謝を生み出すのです。 - 「属人化」の世界も大切に育むべし！
→ 会社では「替えの利く存在」として機能しつつ、プライベートでは家族や友人、趣味を通じて「替えの利かない存在」としての自分を大切にすること。
この二つの世界をバランス良く持ち、それぞれの場所で自分の存在意義を見出すことが、人生の満足度を高める鍵となります。
「生きる意味を見いだせない」「言われたことをやるのは機械だ」といった悩みは、もっと先で考えればいい。
まずは目の前の仕事に集中し、組織の中で「あなたがいないと困る」と言われるような「重要な歯車」を目指すこと。
そして、仕事とは別の「属人化の世界」も大切にすること。
この識学の教えは、現代社会を生きる私たちにとって、非常に実践的で、心強いメッセージだと感じました。
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