著者:北野唯我 | タイトル:転職の思考法

こんな人におすすめ
- 今の会社でこのままで良いのか漠然と不安を抱えている
- 転職を考え始めたけれど、どう動けばいいか分からない
- 自分には特別なスキルがない…と自信を失っている
- 将来、会社に頼らず生きていける力をつけたい
- 長期的なキャリアの軸がなく、進む方向に迷っている
そんな思いを抱えているなら、『転職の思考法』はまさにあなたのための1冊です。
前回第1章では「市場価値」という概念を中心に、自分のキャリアをいかに築くべきかを学びました。
今回の第2章では、その続編ともいえる「組織との付き合い方」と「転職をどう捉えるべきか」がテーマです。
「転職=逃げ」なんて誰が決めた?
この章では、主人公・青野さんが直面する会社の現実と、そこからどう自分を解き放っていくかのドラマが描かれます。
特に印象的なのは、転職という選択肢が逃げではなく生きる力になるという逆転の思考。
人間関係、組織の論理、不正、そして葛藤…。
まさに「会社あるある」が詰まっていて、読んでいて「わかる…!」と叫びたくなる場面が盛りだくさんでした。
転職は「自分の意志で人生を選べる自由を取り戻す行為」
第2章は、青野さんがコンサルタントの黒岩と再会し、自らのキャリアと人生に向き合っていく過程を描いています。
青野さんは「何がしたいのか分からない。でも、生きる力がほしい」と語ります。
黒岩はその言葉を肯定し、「それは弱さじゃない。選択肢を持っていないだけだ」と言い切ります。
そして、「辞める」という選択肢を持つことで、上司にも対等に「ノー」と言えるようになると説きます。
この時点で、転職とは単に会社を変えることではなく、「自分の意志で人生を選べる自由を取り戻す行為」だと定義されます。
一方で、会社では大きな変化が起きています。
黒岩が社長から依頼され、青野さんの支店の再建プロジェクトをリードすることに。
改革案は、営業部門の縮小・年功序列の撤廃・若手登用といったもの。
特に営業部門の再編は、旧来型の幹部たちから強い反発を受けます。
その最中、青野さんは社内の不正に気づきます。
同期の横田と共に深夜に経理システムを調査し、3億円の架空売上を発見。
しかも、それが部長クラスの幹部・本間の関与によるものである可能性が濃厚です。
この内部告発により、会議室での緊迫した対立が始まります。
本間部長は保身に走りますが、黒岩が「このままだとあと2年で会社は潰れる」とデータを提示。
最後は別の社員が録音データで本間の指示を証言し、全容が明らかに。
青野さんは「なぜ働くのか?」という問いに、自分なりの答えを見出します。
それは「誰かの指示ではなく、自分で選んだ道を生きること」。
そして転職とは、そのための「選択肢を増やす手段」なのです。
読んでみた感想
「転職=裏切り者」と見る旧体質の会社。
そして、それに立ち向かおうとする若手たちの姿は、自分の職場にも通じるところがあるなと感じました。
特に、「辞める自由を持つことが生きる力になる」という考え方には、共感できましたしもう少し早くこういう考えに至れればよかったという思いです。
不正を暴く場面も印象的でしたが、それ以上に心を打たれたのは、青野さんが「自分の人生を生きる覚悟」を持つようになったこと。
誰かに流されて働くのではなく、自分の選択で未来を切り拓いていく姿勢は、まさにこれからの時代に必要なマインドセットですよね。
転職は悪でも逃げでもない。むしろ、「正しく生きるための行動」なのだと強く感じました。自分の仕事や立場に違和感を持っている人には、ぜひ読んでほしい章です!
本日のまとめ
- 転職とは「辞めること」ではなく、「選択肢を持つこと」
- 選択肢を持つことで、人は自信を持ち、対等な関係を築けるようになる
- 「転職=悪」は努力を放棄した者の言い訳
- 変わらない組織に残っても、自分の成長は止まる
- 人生を自分で選ぶ覚悟が、キャリアの最大の武器になる
今回の内容が皆さんにも少なからず良い影響を与えられると嬉しいです。
次回もお楽しみに!

▼本書の詳細・購入はこちら