著者:北野唯我 | タイトル:転職の思考法

こんな人におすすめ
- 今の会社でこのままで良いのか漠然と不安を抱えている
- 転職を考え始めたけれど、どう動けばいいか分からない
- 自分には特別なスキルがない…と自信を失っている
- 将来、会社に頼らず生きていける力をつけたい
- 長期的なキャリアの軸がなく、進む方向に迷っている
そんな思いを抱えているなら、『転職の思考法』はまさにあなたのための1冊です。
転職本の中でも圧倒的な支持を誇る『転職の思考法』、今回は伸びるマーケットの中からどの会社を選ぶべきか?という核心に迫ります。
「働きやすさ」と「市場価値」、どっちを優先すべき?
優秀な会社と、転職先としていい会社の違いって?
今いる会社が苦しい…でも本当に転職して大丈夫?
そうした疑問に対し、著者・北野唯我さんの鋭い視点と、物語を通して描かれるリアルな葛藤が心を打ちます。
特に今回は、主人公・青野さんが同期との別れや、職場での孤立という厳しい現実を迎える場面も。読んでいて胸が痛みつつも、「それでも前を向く強さ」を教えてくれる内容です。
では早速、今回の学びを見ていきましょう!
転職先の選び方における本質的な判断軸
まず、青野さんが会社の上司に転職の意志を示したことに対し、黒岩は「甘い」と一刀両断。
転職は裏切りではなく「自分の人生を生きる選択」だと断言します。
転職できる人ほど会社にとって必要な存在。
逆に「辞められたら困る」と思わせる人材でなければならないと、キャリア戦略の核心を突きます。
さらに会社選びの軸として、
- マーケットバリュー(市場価値)
- 働きやすさ
- 活躍の可能性
この3つを提示。働きやすさと市場価値は一見すると相反するように思えるけれど、長い目で見ると一致することが多い。
優秀な人が集まり、健全に競争し合える環境こそが本当に働きやすい職場だと解説されます。
とはいえ求人は山のようにある。
だからこそ、あらかじめ「自分がどんな環境で働きたいのか」「どこなら自分が活躍できそうか」を言語化しておく必要があります。
面接では、以下の3つの質問で活躍可能性を見極めることができます。
- 求められる人物像と期待される成果は?
- 現在、社内で活躍している人はどんな人物か?
- 中途入社で活躍している人のキャリアパスは?
この活躍の再現性が描けない企業では、結果を出すのは難しいというのが黒岩の主張です。
青野さんもまた、企業面談の中でこの考え方を実践。
タナベテクノロジーという会社から内定をもらいますが、黒岩はその企業を「転職先としてはダメ」と断じます。
理由は、人材派遣が実態でマーケットバリューが高まらないこと、離職率が異常に高く使い捨てのビジネスモデルだから。
つまり、「会社として優れていること」と「自分にとって良い転職先であること」は全くの別物なのです。
さらに、優良企業の見極めには、ネットの口コミや業界人の声も活用すべきと黒岩はアドバイス。
企業HPやメディアの情報だけでは見えない「無形資産」(働く人・文化・風土)こそが、転職先としての価値を決めるのです。
そして物語はクライマックスへ。会社は再建のためのプロジェクトを立ち上げ、なんとそのリーダーは黒岩。青野さんの元上司との因縁も再燃し、職場は一気に波乱の展開へと突入します。
読んでみた感想
「働きやすさ」と「市場価値」が一致する、といった視点を考えたことなかったのがまず印象的でした。
確かに、優秀な人たちが集まる場所って、お互いを尊重して自然と働きやすい環境になるんですよね。
そして、企業表面だけを見て判断する怖さ。
これは多くの人がやってしまいがちなミスかもしれません。
内定をもらったら即「この会社良いかも!」と舞い上がる。
でも、その企業の本当の価値は、面接やWebサイトだけでは見えない。
- 自分が活躍できる再現性があるか。
- その会社でどんな自分になれるか。
そこを想像しながら企業選びをする。
これって、まさに「主体的にキャリアを選ぶ」ってことですよね。
転職って、ただ会社を変えることじゃない。
人生の軸を取り戻すことなんだと、改めて実感しました。
本日のまとめ
- 「辞められる人材」が最強の人材である
- 会社選びの基準は「市場価値・働きやすさ・活躍可能性」の3軸
- 面接では活躍の再現性を問う3つの質問を使う
- 企業の表面的な情報ではなく、現場の声・口コミも要確認
- 「会社として良い」と「転職先として良い」は違う
働くこと、生きることを見直す上で、多くのヒントを与えてくれる1冊。
本書であなたの「転職に対する考え方」が大きく変わるはずです。
気になる方は、ぜひ書籍を手に取ってみてくださいね!

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